ポケモンスタンプラリーとは?

概要
 1996年2月、元となったゲームが発売され、今や世界中で愛されるようになったポケモン。この著作権を持つ会社の1つであるジェイアール東日本企画の親会社、JR東日本が夏休み期間中、ポケモンのキャラクターを使用して、首都圏近郊で開催しているスタンプラリーである。
2007年には開催が10回を数え、回数の積み重ねや参加者の増加によって、首都圏の夏の風物詩とまで言われるようになっている。(なお、他の地方でも不定期ながら各鉄道会社により開催されるが、このコンテンツではJR東日本が開催しているものをメインで扱うことにする。)

 開催期間中、首都圏近郊の100駅弱(2007年度以降は95駅)にパンフレットとスタンプ台が設置される。参加者は各駅に設置された好きな種類のスタンプを、前述したパンフレットに指定された数(2007年度以降は6駅)だけ集めていくことで、ゴール駅(東京、新宿等の主要駅)にあるブースで景品と引き換えることができる。これで「第1段階」はゴールということになる。

 しかし、これで終わりではなく、この「第2段階」が本番ともいわれている。なぜかというと、景品を引き換えたときに、専用のスタンプ帳も渡され、これに全駅分のスタンプを押してから、JR東日本のラリー事務所に送付することで全駅達成の記念品および記念証がもらえるようになっている。

 参加費自体は無料であるが、乗車券が必要なのはいうまでもない(とはいっても、徒歩でラリーをやったという報告もたまに聞くが)。また、「第2段階」は1日で全てのスタンプを集めきることは事実上不可能なので、フリーキップでも複数日分の購入が必要である。よって、記念品を手に入れるためにはかなりの労力と時間、金銭が必要でそれなりの覚悟は要るし、一部からは不満の声も出ている。しかし、スタンプを全て押し、全駅達成の記念品を手に入れたときの喜び、旅の“思い出”という価値も大きいものである。
歴史
 ポケモンアニメの放送が開始された1997年、第1回目が開催された。以降、実施形態は以下の3つの時代に大別できる。各年の開催内容・変遷は別項を参照。

第1回(1997年)のスタンプ帳
<無印時代>(1997年〜2002年)…事前申し込み型の時代
 ポケモンアニメ放送開始の1997年に第1回目のポケモンスタンプラリーが開催された。2000年までの4年間は、事前にみどりの窓口等で専用の引換券を購入し、参加当日に主要駅に設置された「ポケモンジム」という場所でスタンプ帳等と引き換えて、1日(97年は2日間)で東京都区内にある指定された駅を全て回り切る方法だった。なお、1998年〜2000年の間はJR西日本でも開催されていた。
 2001年にはJR東日本での開催は他のキャラクターで行なわれ休止されたものの、名鉄および西鉄が開催し、民鉄で初の実施となった。翌2002年は、実施形式が大きく変更されて復活、ポケモンカードeを集めながらゴール駅を探すアドベンチャーラリーとして行なわれたが、この年限りのものとなった。

<AG時代>(2003年〜2006年)…形態の変更、拡大から定着の時代へ
 ルビー・サファイア発売、アドバンスジェネレーション放送開始後最初の開催年となる2003年にリニューアルが行なわれた。都区内の枠を超えてのスタンプ設置をはじめとした、現在の実施形態の原型となり、翌年には全駅制覇に向けたスタンプ帳の配布も始まった。以降、シークレットスタンプの導入(2006年〜)などの小変化はあったものの、実施スタイルは2010年現在でも続いている。

<DP時代>(2007年〜)…JR東日本以外での定期化、共通化
 2006〜07年の冬まで、JR東日本以外の大手私鉄や公営地下鉄でも1年限りで実施された例はあったが、映画公開10周年を迎えた2007年には、名鉄およびJR西日本での定期開催が始まった。特に、名鉄では毎年春季から夏季まで大々的なキャンペーンを行ない、様々な取り組みを行なっている。
 2008年には上記の3社の他、JR北海道、福岡市交通局が加わり、5社局で同時に開催され、2009〜2010年現在は九州地区での開催が福岡市交からJR九州に変更されたものの、5社での開催が維持されている。
 このほか、(株)ポケモン提供による参加賞の共通化(サンバイザーなど)が行なわれたほか、JR東日本で定着した実施形態を部分的に取り入れるような会社も出てきた。このほか、JR北海道ではスタンプのデザインがJR東日本と共通のものになっていることは特筆すべきポイントである。

ラッピング車両の運行
山手線でのポケモントレイン  スタンプラリーの開催に併せ、8月の前半に山手線の車両(※)が1編成丸ごとポケモン仕様のデザインとなり、「ポケモントレイン」として運転される。スタンプラリー参加者以外の一般乗客も乗ることができ、運転時刻はゴール駅をはじめとする主要駅に貼りだされる。

 また、2006年以降には東京モノレールでも「ポケモンモノレール」と称して、ポケモンがデザインされているラッピング車両の運転を開始。こちらは、実質上の通年運行を行なっており、毎年7月にラッピングの変更が行なわれている。運転時刻はゴール駅や東京モノレールの主要駅、公式ホームページに掲示される。

 名鉄では2007年以降に3700系、2000系、2200系の3形式に対し、ポケモンのラッピング車両を運行している。ラッピング車両の名称は各年で異なるが、「ポケモン・〜号」という傾向が多い。名鉄の場合、運転時刻が貼り出されないうえ、運用範囲が広いため、見つけるためには相当な運が必要である。

※注:2004年は中央・総武緩行線で運転されていた。

乗車カード販売
 JR東日本では、2006年までスタンプラリー開催時期に合わせ、ポケモン柄の乗車カード(オレンジカード、イオカード、Suica)が発売されていた。カードのデザインはその年に公開されたポケモン映画に関する図柄に、スタンプラリーのロゴマークが付加されている形式。しかし、2006年にはスタンプラリーや映画とは直接関係がないデザインのSuicaイオカードに変更され、2007年以降は販売を休止している。

 2000年代中期までは他の開催各社でもカードの販売を実施していたが、近年ではICカードの普及に伴い、カードの販売は行なわれなくなった。2010年時点では、唯一名鉄のみがカードの販売を行なっており、7月後半から映画ポスターを元にした図柄のほか、同社で運行しているラッピング車両をデザインした計5種類のカードが数回に分けて発売されている。しかしながら、名鉄でもICカード「manaca」の導入が2011年2月に予定されており、今後の動向に注意が必要である。

QLOOKアクセス解析
inserted by FC2 system